不登校政策についてのアピール

登校拒否・不登校を考える全国ネットワークは、フリースクール全国ネットワークと連名でのアピールを、23日の全国大会のエンディングにて提案し、採択されました。 多くの方々にお読みいただき、是非ご活用ください。

「不登校政策についてのアピール」のPDFファイル

以下、不登校政策についてのアピールの本文となります。

あと一週間で、国政選挙。各政党とも、マニフェストを揚げて、熱い舌戦をくり広げています。

しかし、学校に行かない・行けない子どもたちが、未来に希望がもてるような施策が語られているでしょうか。「子ども手当」や「高校の無償化」など、 それはそれで大切なことですが、いじめや虐待に苦しむ子たち、不登校・ひきこもりや障がいをもって生きることが理解されない現状、事件を起こすまで追いつ められる若者たち、現代の子どもたちが直面している孤独感や自己否定感の強さ、ひいては生まれてこなければよかったと思いつつ生きている子どもたちの問題 は、ほとんど語られません。まして、その背景にある成績競争や基本的人権の尊重よりも国家のための人材育成を優先させる教育の在り方を変える必要性につい て、目が向けられているとは言い難い状況です。

八月七日、新聞各紙は、一斉に文科省学校基本調査速報について報道しました。不登校の小中学生は十二万七千人、前年より二千人の減少でした。ここ七 年間、横ばい状態を示す微増―微減が続いていますが、ずっと十二万人台を示していることに注目するならば、現在の不登校政策がこれでよい、とは到底思えま せん。

文科省は、登校拒否・不登校について学校復帰を前提として膨大な経済的、人的エネルギーを投入してきましたが、一九七五年より増加の一途を示し、現在も高い数字が続けている状況をみる時、これらの政策が効果をあげないまま煮詰まっていると感じられます。

昨年はフリースクール環境整備推進議員連盟が誕生し、その活動があって、長年の懸案であったフリースクール高等部への通学定期の使用が条件付きで認 められました。また四年前からの小中学生の「IT等の活用による在宅児童生徒の出席扱い」制度に加え、自宅にいて高校卒業に必要な単位が三十六単位とれる 制度も今年より実現することになり、部分的に改善されています。NPO法人・市民活動団体と行政との連携も少しずつ進んできているのも評価しております。

しかし、子どもたちの苦しい状況はあまり変わっていません。

「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」は一九九〇年から親の会・居場所がつながりあって活動し、親が子どもを受けとめ理解し、親同士も支え あうことをやってきました。また、「フリースクール全国ネットワーク」は二〇〇一年に結成、居場所・学び場がつながりあって、不登校や発達障がい、ひきこ もり、その他多くの子ども若者たちの成長支援をすすめてきました。大人・子どもが共に全国から集って年一回の大会を開催しており、今年は二〇回を数えま す。この二〇年間、日本の不登校の状況をみてきて思うのは、学校へ戻す施策を根本的に変える必要性があるということです。一つは、子どもたち個々に合った 教育が選べる大切さのためであり、もう一つは、学校に行っていないということで存在が否定される、その理不尽さを変えるためです。先述した学校基本調査の 結果をみても、子どもたちが声にならない声を発していることに、建設的に応えていくべきであると感じます。

今年一月、フリースクール全国ネットワークはJDEC(日本フリースクール大会)を開催、「フリースクールからの政策提言」を採択しました。そこに は、憲法と教育基本法のもと、学校教育法とならぶ何らかの教育法(仮にオルタナティブ教育法)を制定する提案をしています。それは不登校の子どもたちの成 長を支えているフリースクール・ホームエデュケーション家庭などに公的支援の道を開くものです。また、学校復帰政策を変えていくなど、すぐにでも実現すべ き九つの提言を同時に提出しております。これらが実現することにより、不登校の子どもが、自らの生き方に自信をもち、個性や能力を発揮しやすくなり、その 家庭にとっても安心して子どもの成長を見守り支えていけることになるでしょう。

今年は、国連子どもの権利条約採択二〇年の節目でもあります。不登校の子どもたちもまた学ぶ権利、教育を受ける権利が公的に保障され、これからの時 代に生きる子どもたちがいきいきと育っていけるように、今こそ抜本的に不登校政策を変えていくことを要求します。また、大人は、子どもを一人の人間として 尊重し、子どもの声をきき、子どもたちに学びながら、子どもの成長を支えていけるよう、そして、社会が不登校や、一般的な学校教育以外の多様な育ちの在り 方についてもっと理解がすすむよう、私たちも努力を続けます。共に、力をあわせて、多様な個性の子たちが、生まれてきてよかったと一人のこらず思える社会 をつくっていきましょう。

二〇〇九年八月二三日
NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
NPO法人フリースクール全国ネットワーク

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