虐待防止の緊急点検への対応について

野田の事件を受けた「児童虐待が疑われる事実に係る緊急点検について(依頼)」全国通知について、登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク代表奥地圭子は、理事のみなさんと相談して、考え方や皆さんに知ってほしいことを以下のようにをまとめました。
 
どうぞお読みください。
 
(PDF版)虐待防止に係る緊急点検について.pdf(2/26夜訂正)
 
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全国ネット加盟団体各世話人様
虐待防止の緊急点検への対応について
 
NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
代表理事 奥地圭子
 
2019.2.26
 
 
 すでに御存知と思いますが、2月14日、野田の虐待死事件にからんで、内閣府・文科省・厚労省から「児童虐待が疑われる事実に係る緊急点検について(依頼)」という全国通知が出されました。
 点検対象は、国公私立の幼・小・中・高校、特別支援学校、高等専門学校等と都道府県・市町村教育委員会です。
 学校に報告を求められる事項は「2月1日以降一度も登校していない児童生徒等で、3月8日までの間に一度も登校していない者に面会をし、結果報告をしなさい」というものです。
 その面会は、学校の教職員による面会、教育委員会職員(SSW、指導主事、教育支援センター職員など)による面会、その他関係機関(民生委員、児童委員、フリースクール職員等)による面会のいずれかで行い、結果を報告しなさい、というものです。本通知に関係なく、2月1日面会できたものを含めて差し支えない、とも言っています。
 
 今回の点検は、通知の表題に「児童虐待が疑われる」として、不登校の子どもを点検の対象とすることにも現れているように、不登校の子どもと親への配慮に欠けた面があります。
 これまでの実例でも、不登校の子どもの意思に反して警察が親子を引き離して児相に一時保護したものもあり、虐待の誤解が解けて自宅復帰しても子どもが不安に陥り母と離れられなくなり、母について歩いているそうで、外出もできなくなったこともあります。
 やっと落ち着いて過ごしている不登校の子どもが、子どもの視点の欠けた緊急点検や強引な安否確認によって追い詰められることは、虐待防止だからといって、許されることではありません。
 今回の点検でも、親が「うちは元気です」「虐待などやってません」といってもすまない雰囲気で、「直接確認」「安否確認」を求め、子どもが面会を嫌がるのに、強引に訪問して会おうとする、または、強引に学校まで連れてこさせようとするなど、子どもの安心、安全が奪われる不適切な事態が起こるおそれがあると思われます。
 そこで、不登校の子どもと親が無用な不安に脅かされることがないように対応できるように、別紙のことを会の皆さんや周囲の方々にお伝えいただきますようお願い申し上げます。
 
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 子どもとの「面会」や「確認」の不適切な要求があり困ったら、下記の全国ネットにご連絡、ご相談ください。
 全国ネットはオンブズマン制度を持ち、弁護士の委員もいらっしゃいます。
【連絡先】(各世話人などを通じてのご連絡、ご相談も可能です)
NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
TEL/FAX:03-3906-5614
メール:info@futoko-net.org
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具体的な対応について
 
(1) 子どもとの「面会」、「確認」の担当者は、学校教職員に限定されていないので、子どもが信頼しているフリースクールスタッフやスクールソーシャルワーカー(SSW)、民生委員、児童委員などがいれば、保護者が「子どもの同意」を得て、その人を希望すると回答するという方法もあります。
 
(2) もし、学校など関係機関から「緊急点検のため、家庭訪問します。お子さんと会わせてください」と電話があったら、まず、子どもの意思を聞ける方は聞くことが大事です。もちろんすべて年齢やお子さんの状況を考えて行う必要があります。
たとえば、次のように対応することが考えられます。
<1>
ⅰ)子どもには、「今回の野田の虐待死事件をきっかけに、すべての子の安否を確認するために、ほんのちょっとの時間でいいから会って確認したいようだ」という主旨を説明し、親が「学校には行っていないが、元気にやっています。虐待していません」というくらいでは、おさまりそうにないから、できるところは協力できるかななどと、とよく話したうえで、確認する人と会っていいか聞きます。
 その際、面会は親と一緒、と伝えます。いいなら承諾を伝えます。
ⅱ)子どもが拒否であれば、その旨を率直に回答し、安否確認の方法について、確認要求をした担当者と相談したいと申し入れます。
 
<2>
 会い方、会う場所、会う時間も、どうだったらいいか子どもと相談し、学校など確認要求の担当者に伝えます。
 
<3>
 学校の先生はいや、という場合、親として、学校以外のだれか子どもにとって安心できる面会可能な人はいないかを考え、子どもが安心できるこの人、と思ったら、了解をとり、学校に対案として伝えます。
 
<4>
 その時、通知の中に「等」という言葉が入っていることを活用し、歯医者、内科医、保健所、子ども食堂、学童クラブなどで、本年2月1日以降に子どもが会っているという人、会うだろうと思える人を見つけ、学校に提案することも一方法です。
 
<5>
 また、今回の点検が、学校復帰のきっかけにされることのないように、親として気をつけたり、確認したりする必要がありましょう。

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